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 おはようございます。

朝日と雪を乗せたシャラの木 厚ぼったかった雪の布団を脱いだ庭は、今朝また、初雪のような風情の有る光景になりました。

 小道やコンテナの形を消さずに、雪は朝日に映えるホワイトガーデンを作り出しました。

 昨日、確かに春めいていました。晴れると日ざしが、曇ると花吹雪が落ちてきました。花吹雪は実は、冬の屋根裏に残っていた、細かい雪でしたが。

 庭の池、水溜りのような小さな池は、真冬にはその存在をすっかり隠していました。それが昨日、煉瓦の縁がやっと全部現れて池が戻ってきました。

 池の水と、池に入れたままの水草の鉢と、そしてメダカも現れました。池の上に被さった雪が、ガサッと音を立てて沈んだので、池を覗き込みました。すると、紅葉したバラの葉色の、小さな魚が、むなびれをヒラヒラさせて水面近く止まっていました。あわててデジカメを持ってきたときには、もう居なくなっていました。

 冬の間、池の水はどこまで凍っていたのでしょう。メダカは、ほんの少し残った水の中で、じっとしていたのでしょうか。一度も雪を、どかして見なかったのが、よかったのかもしれません。厚い雪の下は、意外に暖かいといいますから。

 近くに、見えるところにいると、余計な世話をやいて、かえってよくない結果を生む事があります。あんなにたくさん雪が積もってしまえば、庭に出ることさえできませんでした。むしろそれがよかったのです。

 庭の雪を蹴散らして、シジュウカラが餌をついばみにやってきました。日ざしが落ちる雪を光らせました。春の雪の庭は、止まっていません。いつもどこか動いて、生き物の気配を感じます。
                      3月8日 朝に 淳子