こんばんは 小さな黒い蟻が一匹住んでいます。部屋に持ち込んだゼラニュームの鉢に。もう、何ヶ月も独りぼっちです。 ゼラニュームは夏のあいだ、パーゴラから下げたハンギングに、ロベリアやオジギソウやステッパや斑入りカキドウシと一緒に植えられていました。一番真中の良い場所を与えたのに、花はパラパラと何回か咲いただけ、葉もそれほど茂りませんでした。不精をして、土を入れ替えず前の年のまま使ったのと、それなのに、ギュウギュウにやたら植え込んだのが原因ですね。 夏の終わり頃、どこからか種が飛んできて、ゼラニュームの横にペチュニアが咲きました。それも一緒に今の鉢に移しました。色艶がよくなったのは、今度の土は生ゴミ堆肥たっぷりの自家製だからでしょう。 その鉢の縁を蟻が歩いているのを見たのは、部屋に入れてすぐでした。土に付いて来たのだな、相棒に見つかると、それでなくても、土には、ばい菌がいっぱいと嫌がっているのに、これを理由に居間から追い出されるかもしれない、そう思って黙っていました。 ところが意外な事に、「知ってる?蟻がいるんだよ。」と彼は鷹揚な口ぶりで、 数日後、私に教えたものでした。 乾燥に強いゼラニュームですが、時々は水をやります。そんな時は、蟻の事などすっかり忘れていて、頭からザーッと勢いよく水をかけるのですが、溺れないのでしょうか、気が付くとまた鉢の中でウロウロしています。 本当に1匹だけなのか、他に仲間はいないのか、観察しますが、やはり蟻は1匹です。今夜、この蟻をじっと見ていたら、悲しくなりました。いつまでもこんな狭いところに、こだわっていないで、どこかへ行ったらいいのに。ずっと仲間を待っているのかしら、探しているつもりかしら。 「誰を待っているの?おまえの事など、とうに忘れられているのよ。」 そう思った自分が、悲しかったのです。 1月22日 夜に |