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 こんにちは。

 いつまでも暖かい11月です。少し気持ちが悪いくらい。まだ強い霜もありません。いつもなら、とても咲かない裏庭のサザンカが、横の土手のタンポポとおめかしを競っています。できればこのまま霜ではなくて雪を、と思います。朝にうっすらと初雪がこのバラのような花びらに降り注ぐのを、見てみたいと思います。

 裏庭と言っても、御存知のとおり細い路地のようなところです。悲しいことに、薄情なオーナーに気に入られなかった、いくつかの植物たちが、ひっそり命を繋いでいます。ここが植物の墓場にならなかったのは、このことは文句ばかり言っていたのですが、敷地が真南を向いていなかったおかげですね、少し東に振っているでしょ、午後になって日が差しますから。西日は毒といっても、真夏はプルーンの葉が茂って光量が加減されるし、冬はもともと柔らかい光ですし。

 サザンカのほかにも、花壇にするために邪魔になって抜かれたドウダンツツジや皐月、随分昔に植えたシャガ、貰い物の派手な色合いのダリヤやサルビアが植えられています。近いうちに、ダリヤやサルビアとは、お別れでしょうね。植えてみて、ダリヤがそんなに悪くない事に気付きました。一つの球根でたくさん花を咲かせて、花の期間も長いのですね。色と大きさを吟味して、来年は表庭にデビューさせようと思います。

 この前、ここに豆の種を蒔きました。今5センチ位になっています。このまま雪の下になってしまうけれど、それがいいのですって。今のうちにしっかり根を張って、春に暖かくなったらズンズン伸びて、丈夫な枝に美味しい実がなるそうです。

 正直言うと、本当の春が待ち遠しいのです。秋に春を見つけるのは、かなり強がりの神経が必要です。サフランがクロッカスの振りをしても、なんとあっけなく紅色の雌しべを横たえてしまうことでしょう。雌しべは開花当日に摘み取って乾燥させて、熱湯を注いで飲めば、風邪に良く効く薬になるそうですね。もっとも乾燥させて0.5グラム必要と言いますから、そのためにはサフラン畑を作らなくてはね。寄せ植え

 いたずらの気分で、寄せ植えコンテナを作りました。テーマは「一足お先の春」。ん?笑ってる?私がコンテナ植え、苦手な事知っていますよね。
ちょっと思ったのだけれど、遠慮がちなのがいけないかなって。思いきって今回はたくさん植え込みました。春の花はそれ程根を張らないので、目一杯植え込んでも平気なんですって。葉牡丹にパンジーにビオラ、レウイシア、庭にあった黒竜やリシマキアも入れました。花色を黒竜にあわせて、ワイン色や深みのある紫、レウイシアのピンクも甘く。そうしたら、かなり濃厚な春風、人の気持ちを惑わせる春の雰囲気のコンテナができました。土はもちろん生ごみ生まれの堆肥です。贔屓目で、植え込んで数日で違いが見えてきた、なんて図に乗っています。まだ蕾が多いので、写真は植え込みの、ごく一部分です。

 またお便りします。もうばれましたね、そう、日記代わりの手紙です。今日は初めてで、少し長くなったけれど、一筆箋に書くように短い手紙をマメに書きますね。あなたが庭のことを、すっかり忘れないように、刺激を与えてあげますからね。庭の呼び声が聞こえているのでしょ?早起きして、庭に出て御覧なさい。きっと、面白い発見がありますよ。 11月9日 淳子

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