手紙に登場する植物一覧表 手紙保管庫 素敵な庭造りトップへ 

前の手紙へ 次の手紙へ

 こんにちは。追い討ちするように、もう2便です。

 痴呆の始まった老人の徘徊を見つめるような顔で、相棒はガラス戸越し。「なに見てんのよ〜」ここから怒鳴ると、余計おかしいので、我慢です。相棒のサンダルから赤い靴下のはみ出た足、エプロンに引っ掛けたのは、息子のジャンバー、寝癖のついた頭、まあそう見えても仕方がないか。

 朝の掃除もそこそこに、「行ってきます」も言わずに飛び出したのは、野葡萄を採ろうと思ったのです。

 この前、森で見つけた山葡萄、美味しいのよと言われて、口に含んでみましたが、酸っぱくて。まだ飽食を尽くしていないせいかな、山の滋味を堪能できるまでには、至っておりません。持って帰って、ガーデンテーブルに置き忘れていました。ピンクのメアリーローズの頭を切って、一緒に置いたら、素敵なコサージュのようでした。食べるより、飾るほうがいいな、と思ったら、野葡萄の事を思い出したのです。滅多にそんな気持ちにならない、メンドクサガリヤですが、季節的にもリースなど作ろうかな、なんて。

 貫入のような疵が入った、白や赤や紫がまだらの硬い小さな珠が、自然の宝石のようです。カールした巻きひげも愛嬌があって、ドライにした庭のハーブと一緒に飾ったら良さそうでしょ?近くの林の入り口に、たしか生えていたと、ポケットに剪定バサミを忍ばせて出かけたのです。

 でも、残念ながら見つけられませんでした。そのかわり、ホップに似たカラハナソウ、淡緑の麟状の花穂がたくさん揺れて木に絡んでいました。こんなサンダルで、おまけに足場も悪く、採る事はできなかったけど、ここにあるのがわかっただけで、収穫です。スミレ

 山葡萄も、野葡萄も、カラハナソウも蔓植物。味わい深いですね。ところで、知ってる?野葡萄と山葡萄の違い。野葡萄は食べられません、山葡萄は食べられます。葉の裏がツルツルなのが野葡萄、裏がザラザラで毛深いのが山葡萄。

 山葡萄もカラハナソウも果実酒にすると、なかなかイケルそうですよ。特に、カラハナソウは味も香りもビールのホップそのもの、苦味のある美味なお酒になるとか。どうです?採りに来る?

(写真は帰って庭で撮った写真、スミレです。高い枝には手が届きませんでしたが、こちらは這いつくばって、です。)    11月9日 淳子

お返事くださいね