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 こんにちは。

 郵便受けにコトリと落ちる音は、普段使われない心のどこかをノックされる音。その昔の切ない期待を、思い出させる音ですね。
ツワブキ

 むしろ個人宛ての手紙は、E-メールで来るほうが多く、郵便受けに入るものは、味気ないダイレクトメールばかりになった昨今です。
 それにいつの頃からか、配達は民間に委託されているようです。配ってくれるのは、帽子を深くかぶって、サングラスにマスクの腕っ節の強そうなオバサン。日焼け防止とは言え、いつでも強盗になれます、と言わんばかりの風体。よく見れば腕章くらい付けているのでしょうが。
 甘い恋文など来るわけのない今となっては、せめてハンサムなお兄ちゃんの郵便屋さんなら、嬉しいというもなのに。


 午前中、庭の冬支度に夢中になり、太陽が陰ったのも気付かずいたせいか、部屋に入っても頬が熱く、背中あたりがゾクゾクしました。味のあるような、ないような昼食のあと、例のオバサンの姿がよく見えたのは、今日の剪定の成果です。「君が取って来て。」顎で指図されても、午前中の恩義を昼に忘れるほど、仁義に欠けたガーデナーでないので、ここは渋々。庭の冬支度とは、以外に力のいる事もあり、つい、近間にいる人間を使ってしまったのでした。

 大方の予想とは裏腹に、郵便受けには私宛の封筒がただ一つ。がっかりする相棒を尻目にウキウキ封を開けました。

 メール友達からのお約束の物資。種と球根。添えられたかわいいカードに、頬の火照りも一段と。「ニタニタして、なに?誰から?」の問いに、「さあね、内緒。」

 焼きもちという感情も、郵便受けに落ちる音で、思い出して欲しい今日でした。 11月16日 淳子
                   (写真は赤いウメモドキの向こうにツワブキです)

熱いお便り待ってます。