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 初雪です。

 落ちる先から、溶けていくので、石畳は濡れて雨かと思いました。寒くなって色の変わったゲラニュームの葉

 庭を見ながら、ガラス戸に頬を付けて、ストーブの恩恵で温もった体温を冷やします。私の、いじらしいほど慎ましい、冬の朝の贅沢です。
 頬を付けた跡、ガラスはそこだけ曇って、潔癖な相棒を怒らすのですが、これが又楽しいのです。「またやってる!」いたずらを見つけたような口調に、「わたしがいなくなったら、これを形見にしてね、ここにキスしてね。」わたしは大真面目で言うのですが、叙情性の足りない相棒は「フン、くだらない。」で終わりです。
 汚れは拭かれて、ピカピカの窓に。明日もまっさらな窓にキスできる私は、幸せ。
(写真は雪に濡れたゲラニュームの葉)


 一昨日の日曜、あの暖かさは働き者の主婦の為に、冬がちょっと遠慮してくれたのでしょう。庭には小さな蜂や、刺さないけれど姿は蚊そっくりなのが、飛び回って、私を庭へと急かせます。

 庭の真中に用意された一輪車は、堆肥や腐葉土を混ぜる為でしたが、肝心のバラ苗の輿入れが遅れているので、寒肥を施す場所も決まりません。まぁいいか、慌てずとも、冬は長い。少々目障りな大道具ではあるが、しばらくこのままに、と思っていました。

 「今、畑から抜いてきたよ!」農家の友人が息も荒く運んでくれた、立派な野沢菜。しかもこの陽気、今日やらずに、いつ漬ける?毎年、野沢菜はお風呂場で相棒が洗ってくれると決まっていたのに、「温水プールへ行ってきまーす。」さっさと逃げていきました。

 目の前に積まれた、青々した菜っ葉の山に、これをお風呂場まで運ぶのも、難儀。暖かいし、このまま外の水道で洗おうか、道行く人が見れば、「できる奥さん」と評判になるかも!!やや不純な動機かもしれないが、やらないよりマシでしょ?

 洗い始めて、お風呂場を使っていたわけが、直ぐに判明。長い野沢菜をプールで泳がすように湯船に浸せば、汚れも落ちやすく洗い易いわけです。流水のみで一つ一つ洗うのは、おままごと気分以上の量には適しません。

 ここで止めたら女が廃るし・・。しばらく相棒は戻ってこないし・・・・。しかし窮すれば通ず。ふと目に入った、大きな一輪車。深さも長さもたっぷりで、しかも、ほとんど使っていないので、きれい。あれに水を張って中で洗おう!

 帰った相棒に、「いいアイディアだね。」と誉められたのはいけれど、「来年も一人でやってね。」とは、・・・そんなぁ。

 漬け終わって寒さの戻った昨日今日です。美味しく漬かったら、食べに来てくれます? 11月28日淳子

そちらのお漬物は、どんな?