おはようございます。 夜明け前、雪の庭は息を止めているようでした。 小鳥の姿もなく、山並みが、明るくなりかけた空をバックに、作り物のように冷たく張り付いていました。 それがだんだん霞んでくると、日が昇りました。 ドライアイスのステージから、せり上がりで堂々とあらわれる、大歌手のようでした。 はじめ庭は、黄金色の光をいただいて、やがて庭全体が銀色に輝き始めます。 空が少しずつ青く、梢に乗った雪が少しずつ落ちて、隠れていた緑やわずかなピンクが見え始めます。 こうして色彩が戻ってきましたが、雪の洗礼を受けた庭は、もう昨日の庭とは違います。 昨日、小さな花束を貰いました。 きっと明日になれば雪に痛められてしまうから、どうしても今日のうちに・・・・、そんな言葉を添えて。 |