悲しい キアゲハ幼虫日記
今年は山椒の木にアオムシ君が来ないなぁ、と寂しく思っていました。山椒は、昨年アオムシに食べられすぎたか、冬の寒さがきつ過ぎたか、枯れそうになっていました。とてもこれでは、食欲旺盛なアオムシの食料が確保できないと、母アゲハは考えたのでしょうか。難を逃れた山椒は、夏になった今、生き残った枝から青々と葉が茂っています。ウナギでも食べる時に、一枚二枚使わせて頂きましょう。
朝食の目玉焼きに添えようと、キッチンガーデンの縁取りに植えた、パセリの柔らかそうなところを物色していると。
先客です。これがキアゲハの幼虫か!
7月20日朝6時。 朝食に余念のないアオムシ君。体長5センチ、緑の地に黒い縞、縞にはオレンジの点。かなり派手な衣装ですが、少し離れるとパセリの森に溶け込んでしまいます。 食事が終わると、パセリの根元の近くへ行ってじっとしています。 |
翌21日、22日、アオムシは元気に葉を食べていました。丸々太って、可愛いこと!パセリは3株植えていますが、いつも同じ株にいます。彼一匹なので、豊富な食料に恵まれて、どこか鷹揚な雰囲気を漂わせるアオムシ君。
それが、23日朝、パセリの森から、突然姿を消しました。
翌24日朝にも、アオムシの姿は見えぬまま。
24日午後1時半、発見。 パセリの森から、直線距離約3メートルの池のほとり、雪柳の枝にくっ付いています。 |
24日午後7時。体がやや白っぽく変わっていました。薄暗くなっていて、うまく写せなかったので、写真はありません。
25日朝6時。 すっかりサナギらしくなっていました。茶色になるのかと思ったけれど、周りが緑なので、保護色でしょうかサナギも緑です。 |
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25日午後2時。 背中(?)の色が黄色くなっていました。 |
羽化まで10日ほどかかると言うことでしたので、8月2日、サナギがついた枝ごと切り取って、部屋にいれました。
・・・・ところが、待てど暮らせど、サナギはサナギのまま。変だ変だと思いつつ、旧盆も終わる8月16日、サナギに見つけた丸い穴。ここから蝶が出て行ったの?中は空っぽです。蝶は?どこにもいないよ・・・・。ふと見上げた近くの窓、その網戸の内側、2センチ位の茶色い蜂が止まっていました。ほとんど反射的にティッシュでつぶしました。以前蜂に刺されて、死ぬほど痛い思いをしたので。
で、つぶしてから、この蜂はどこから入ってきたんだ?・・・・・まさか。疑問と不安が不気味に交錯します。そして、調べた結果・・・・。
8月16日 羽化してでてきたのは、キアゲハではなく、アゲハの幼虫に寄生するヒメバチ(たぶんアゲハヒメバチ)でした。この蜂は、キアゲハの幼虫またはサナギに卵を産んで、その体液を吸って成虫になります。 蜂を潰す前に写真を撮ればよかった・・・・。 サナギに、丸く黒く見える穴。覗くと見事に中は空洞でした。 |
・・・・・・おしまい。