暮らしのつぶやき

18 混ぜ棒入れ

偶然持っている急須と同じ作り手のものでした。 ずっと、何かいいものは無いかなぁと探していたのです。
ある日、これを見つけて、一目で気に入りました。小さな花でも挿すようにと、本来は作られたものらしいですが。

日に何度も砂糖とミルクの入ったコーヒーを飲みます。使ったスプーンをその度洗って、カゴに入れて拭いて、というのは面倒でした。ついガラスのコップや、お皿にのせておくのですが、出しっぱなしの風景になって、いやでした。「ほらまたー。使ったら、片付けなさい。」どこからかそんな言葉が聞こえてきそうで。

今は、この小さな壷ごとさっと洗って、キッチンにそのまま置いておきます。なんだそれじゃ今までと同じじゃないか、と言わないで。

見つめている気持ちが違います。

シャカシャカと洗う時の手にピッタリと収まる大きさも、滑らない素焼きの肌も、初めて子供が書いた落書きのような不思議な文様も、気に入っています。

お花のかわりの銀色の泡立て棒も、壷のうねったふちに、心地よくおさまっています。

片付けなくても、片付いている風景に、私の気持ちも落ち着きました。

01/08/2004

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