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 こんにちは

 本当に明るい暖かそうな、少しきつい陽射しでした。鳥の声が一段と饒舌でした。居ても立ってもいられず、まだ雪がうずたかく通路をふさぐ庭に出ました。確かめたいものがあって。

 いました!黄花セツブンソウの蕾。土留めの角、庭で一番早く雪の消える場所です。

 これが種からだったか、苗で植えたのか、それも覚えていません。園芸の知識も興味も無かったずっと昔です。たまたま目に留まった通販のカタログ写真に、心引かれて植えた、あるいは蒔いたのでしょう。春一番の花にふさわしい場所、太陽の恩恵を真っ先に受けられる場所を選んだのも、ただの偶然でしょう。運が良かったのです。
黄花セツブンソウ
 花は、不思議なほどの鮮やかな色をちらりと見せて、半分土に潜って、これで隠れているつもりかしら。あなたはうつむいていても、私には良く見えるのよ。かくれんぼは終わり、見つけましたよ、指先で首筋を突付きたくなりますが、その役目は私ではありませんね。

 それから、テラス前の土も少し見え始めました。挿し芽の根が短くて、張り付けるように地植えしたクモマ草、青々と生きています。これでは密植過ぎる、間引いた分は誰かにあげよう、ほかに何が植えてあるっけ、ドキドキしながら雪でつぶれた苗を確認します。

 水仙の芽この芽は水仙、大切な大地からの手紙が折り畳まれて真新しい奉書に包まれています。手紙には、きっとこう書いてある筈です。「因果の花を知ること、窮めなるべし」

 自然に庭は出来上がりませんものね、運ばかりに頼っていてはいけないと、私に教えているのです。    3月8日 淳子

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