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 こんにちは。ホワイトガーデンに咲いたグラミス・キャッスル
 プルネラが小さな口を開けて叫んでいます。王子様のお出ましだ!と。

 始めて見る緑の領地に、白い頬をばら色に上気させたグラミス。そっと心配そうに手を差し伸べたのは、スカビオサ。「私の花色は働き者の証し、黄緑がかった白です。」なかなかのご挨拶が出来たと、背筋を伸ばします。

 「そろそろ、お暇を頂きたく存じます。」ホワイトガーデンにふさわしく、ここまで色を抜きました。お目にかかれて光栄、老体のクリスマスローズが呟きます。

 ホワイトコーナーは香りのコーナーでもあります。香りのBGMを奏でるのは八重のバイカウツギ。次の楽章は白百合が受け持つはずです。

 小さくとも調和のとれた一画を、誇らしく見下ろすデルフィニューム。 と、足元に真っ赤なミニバラが小さく一つ、困っています。「神様は時々いたずらをなさるのもの。」

 慌て者の庭オーナーが、枯れたと思って土ごと捨てた、そこから芽吹いた赤いバラ。「気にすることは無い、いっそう白が引き立ちます。」グラミスが言ったような。冷たい風に聞こえたような。     6月11日 淳子