おはようございます。 朝焼けが寂しく見えないのは、暖かい部屋で、家族と一緒に見ているからでしょうか。それとも、これから昇る光に、希望を託すからでしょうか。 雲が輝いている見える朝は、穏やかな心の朝です。師走の日曜、あなたはどんな朝を迎えましたか? 列島全体に紅葉が行き渡ったこの頃、こちらでは鮮やかだった山の着物は、すっかり畳まれてどこかに仕舞われました。 昨日、日暮れ間近、いつもの道を車で走りました。遥か前方のテールランプから目をそらすと、寒そうな山が見えます。ちょっと痩せたように思われる山、山と言うより、小高い丘と言ったほうが良いようです。 櫛の歯のように稜線に並んだ木々から、透けて見えたのは、柔らかそうな枯れ葉色の地面と、夕闇直前の茜空でした。 見慣れた風景に、突然、心を撃たれました。林を透けて見る空の、不思議な色。 一瞬錯覚します。異郷から故郷を思っているように、愛する人と距離的にも心理的にも遠く離れてしまったように・・・。きっとこれは、梢の向こうの夕焼けがあぶり出した、やるせない幻影ですね。 息子が沖縄から、お土産に貰ってきた熱帯植物の一枚の葉。「葉挿しすると脇芽が出ます、大切に育ててね・・」写真と小さなメモが添えられていました。土に挿して忘れていました。今朝見たら、2ミリほどのかわいい双葉が、白い根と共に見えています。肉厚の元の葉は、萎びていました。 山の空が、再び茂る葉で隠れる頃、小さな脇芽も逞しく大きな葉になるのでしょうか。添え書きにあるような赤い花が咲いたら、昨日の夕日の色を思い出すでしょうか。 12月10日 淳子 |