こんにちは。 四方を建物に囲まれた、その中庭、広さ1000坪はないでしょうが。 庭の中央に丸い池があります。池を縁取るように作られた花壇には黒い土だけ、そこから放射線状にコンクリートで固めた道が伸びています。 大きなアーチには何も絡んでいる様子はなく、ひと気のない枯れた芝生の庭を、女性の彫像が見下ろしています。 建物沿いに植えられた白樺の葉も落ちて、片隅には堆肥でも積み上げられていたのか、朽ちかけた木の枠が見えます。 美しいと思ったのは、初夏、この白樺の下にピンクのネジバナが群生しているのを見たときです。木漏れ日が、チラチラと地面を波立たせていました。緑の芝生の中で、風が吹くと細い茎のピンクがいっせいに、ざわめきました。 アーチには薄ピンクの薔薇を。ガゼボを置いて屋根いっぱいにツル薔薇を這わせて、周りに多年草を植え込もう。広い池には睡蓮を浮かべて、シペラスを植えて、でも世界の三大害植物のひとつ、ホテイアオイは止めておこう。 こちら側の日陰には羊歯やギボウシを植えて、背の高いジギタリスを林立させて、足元にはアスチルベや花のきれいな山野草を。 庭の周りを取り囲むように、アジサイやカライトソウなどの低木をを伸び伸び茂らせよう。芝生にはクロッカスの球根を撒き散らせて。 ロックガーデンはどこに作ろうか、石はどんな物がいいかしら。瓦礫の高山にあるようなのを日向に、日陰には苔むした岩を、小さな蘭や盆栽も置こうか。 ガラス張りの温室もいるなぁ。けっこうこれでも手狭になっちゃったりして・・・・。 薄ら寒い二階の廊下から中庭を見つめて、考え込んでいると、そろそろ時間です。 入ると教室は思いがけず暖かい。一気に現実に引き戻されて、「先生、この中学、廃校の予定は?」まさかそんな質問はできない、懇談会でした。 12月19日淳子 ・・・写真は我が家の庭のパンジー、フランス語でパンセ「考え」だそうで・・・ |