暮らしのつぶやき

11 照明器具

流しの前に立って、ビーズ越しに食堂のテーブル。 アンティークの照明器具、憧れます。居間に、どうかしら?、と持ちかけたら、天井が低い、他の調度家具に似合わない、住人に不釣り合い・・・などの理由で却下。

それ以上に重大な理由は、電球の明かりでは、暗いから。

シャンデリアに、間接照明に、ブラケットに、各自の手元にスタンド、・・・となれば暗くもないでしょうが、日本のエネルギー事情と我が家の家計を考えれば、それはちょっと・・・・。

それなのに、蛍光灯を目の敵にするインテリア専門家は、結構いらっしゃいます。お洒落のためでなく、本当に眩しくてサングラスをかける青い眼の方々と違って、我が家の住人はみんな黒い瞳。お互い、顔をはっきり見たくない場合を除き、居間での生活には、やはりある程度の明るさがないと、目が疲れます。

それでも食堂は、明るさよりも雰囲気。電球のペンダントやダウンライトを使っています。ただ、キッチンの作業台の手元を照らすのは、よくある小さな蛍光灯。これがいまいちお洒落じゃないですねーと、替える気もないくせに意地悪を言う住人がいます。

この家に暮らして十数年、蛍光灯は切れて何回も替えていても、スイッチの紐は切れず、ずっと同じのまま。ある日思い立って紐を交換しました。

家にたまたまあったテグス、その先に黒いビーズを付けました。

このビーズは、ずっと前に頂いて何かの拍子に切れてしまったネックレスのものです。日の目を見ないで、タンスの引出しにしまわれているよりは、台所で揺れている方が良いかと。

蜘蛛の糸のような透明な筋の下に、小さな黒いビーズが照明の光に反射します。その向こうにいつもの食卓が広がります。

こんな手軽な気分転換はないです。いくつも作って季節ごとに変えようかしら、と言ったら、変なことする人種だねぇと思い切り呆れて、前のたこ糸のほうがひっぱり心地は良いね。とは・・・憎らしいなぁ。

02/16/2002

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