暮らしのつぶやき
13 下駄
仕舞い込んで履かない靴の整理をしていたら、男物の下駄が出てきました。 見覚えのない綺麗なままの下駄は、「僕が一人で買ったんだよ。」と相棒。 本人の了解を取って、下駄は庭履き用におろしました。 そういえば、昔二人して浴衣を着て出かけた事もあったっけ。子供たちも小さくて、子供と相棒の浴衣は私が縫ったんだった。知り合いの和裁の先生に、手取り足取り教えて貰って。もう、どうやって縫ったのか、綺麗さっぱり忘れたけれど。 最近、夏祭りの日には、10代の娘さんの浴衣姿をよく見かけます。驚いた事に、足元は、ビーチサンダルや普通のつっかけ。履きなれない下駄で足を傷めて着物嫌いになるよりはいいかも、と眺めています。 ただ、あの音がないのは、ちょっと寂しい。カランコロンと下駄の音。いえいえ、ゲゲゲの鬼太郎じゃなくて、私が思っているのは牡丹燈篭のお露。 愛しい人に逢いたくて、あの世から歩いてくるお露。下駄の音は、幽霊と知らぬまでは逢瀬を告げる嬉しい合図、知ってからは恐怖を迎える合図に。 お露が恋人新三郎に逢いに行った8月13日。私もだれかに逢いに行こうかしら。でも、男物の下駄で行ったのじゃ、なんだか色気がないね。 |
08/06/2002