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2000年8月前半日記

8月16日 水曜日
シジミチョウとても静かな朝。花柄を摘んでいたらお寝坊のシジミチョウ(写真左)を起こしてしまった。申し訳程度に飛んで、また小さな羽をぴったり揃えて止まった。つまんで放り投げたら3メートルばかり向こうのラベンダーの茂みに隠れた。眠いんじゃなくて、寒いのかも。そういえば、蜂の羽音も聞こえない。

昨日の朝白いルコウソウ(写真右)が一つだけ咲いた。今朝は影も形もない。あの花も一日で終わるのか。しゅろ縄をつたわって、するすると伸びたあと、今度はわき芽が行く先を探って揺れている。同じしゅろ縄に絡まるのはクレマチス、ピンクの花が咲くはずだけれど、蕾は見えない。ルコウソウ

テラス前に作った花壇は甘く煙るようにと、花はピンクか紫、なるべく葉が大きくない目立たないものを、そう思って植えた。たしかにふわふわとした一画になった。でも写真写りの悪いこと・・・。バーベナ、ペチュニア、マツムシソウ、その上に覆い被さる、低く横に這う一重のバラ。5つ咲いて、3つ咲きそう、堅い蕾は数えたら20もあった。ルコウソウとクレマチスにも花が咲いたら、ここはもうちょっと素敵になるのに。
8月12日 土曜日
コレオプチス・アメリカンドリームとラムズイヤーと籠昨日はとうとう5つしか咲かなかった。たっぷり2ヶ月も楽しませてくれたのだ。何の文句が言えよう。それでも切り戻すにはなぜか忍びなくて、そのままにしておいたら今朝はまた数え切れないほど花をつけた。

もちろんびっしりというほどではない、こんな花束も涼しげで素敵と思わせる、ブーケに程よく散らした青い小花。数日サボっていた花柄摘みをしながら、この夏の一番の功労者だと思う。宿根アマ。

ピンクのマツムシソウは一休み。同じ場所に一緒に咲かせたバーベナはマツムシソウを少し濃くした色、微妙な色のバランスを醸し出す相手がいなくてはここは少し寂しい。20日に遠くから来てくれるお客様の為、お盆中充電して是非また咲いて欲しい。

ゲラニュームが数日来思い出したように咲いている。満開のコレオプシス・アメリカンドリーム(左写真ピンクの花)が気になるのか、横目でチラチラ見ている。

みんな、光や風の変化を敏感に感じて、自分のやり方で教えてくれている。ワレモコウが堅いイチゴみたいな実を付けはじめた。そのうちイチゴよりずっとシックに色づくだろう。

散策しながら抜き取った雑草や花柄を、新しい籠に入れる。庭つくりを始めた頃買った竹篭は、昔小学校の庭掃除でさんざん遊んだものだ。最近はプラスチックの物に取って代わられているが、この懐かしい竹籠を近くの金物屋さんで見つけた時は嬉しかった。それも、とうとう底が抜けてしまって、二代目を手に入れた。真新しい色が庭で浮いているが、優しい色合いの花と一緒に記念撮影。(写真)
8月9日 水曜日
ヒオウギとウメモドキ秋の気配など感じたくないのだが。朝一番、窓を開けてその空気の冷たさに震える。庭に出るのをためらわせたのは、そればかりではない。テラスに置いたサンダルはまだぐっしょり濡れている。昨夜の雨は相当に強かったようだ。

聞こえてきたのは、虫の声。そういえば昨夜も。セミももう少し鳴きたいだろうに、朝晩は寒くて鳴けないのだな。半分眠りかける耳には、書き損じた手紙を破るように響いた。辛い胸のうちを書いたか、書ききれなかったか。ゆっくりと丁寧に引き裂くようなその音は規則正しく繰り返され、いつか悲しい夢にいざなわれた。

どんな夢だったか忘れた朝、まだ色付かないウメモドキの実に涙を見ている。ヒオウギがなぐさめている。朝日はまだ、ささない。
8月7日 月曜日
草の道午後2時を過ぎる頃から、ゴロゴロと始まった。雨が落ちそうな庭は開きかけたカサブランカの甘い匂いがする。降り始めれば雷の落ちる事も無いだろう、パソコンは中止してそれまで草取りでも、そう思って30分は過ぎたか。

「ちょっとこっちもどうにかして。歩く気にならないよ。」何日も前から言われているが、生返事。庭から裏をつなぐ日当たりの悪い路地。所々にミントやカラミンサやミズヒキを植えてある。敷石が見えないほど茂って、この荒れた感じがたまらないのは、私。足に草の露がまとわりついて気持ち悪いのは相棒。

ミントが植えてあるせいかネコも通らない。半分枯れた鉢植えのニューギニアインパチェンスを、期待せずに植えておいた。いつのまにか葉に艶がよみがえり、花が咲いていた。

よほど伸びすぎた草だけちょっと摘まんで、この妖精の通り道はなるべくそのままに。
8月4日 金曜日
柏葉あじさいホワイトガーデンコーナーの手前、賑やかにピンクのカワラナデシコ、山吹色のクロコスミアが満開。ここはカラフルでもイイノヨ・・・。しかし、ホワイトは・・・・どこ?待ちくたびれて柏葉アジサイは心変わり、色変わり。何で待っていてくれないの?弾けそうに膨らんだカサブランカの蕾が言ったとしても、責めるわけにはいきません。

切ってドライにしないの?そうなの、ここでずっと見ていたいの。真っ白な花弁に浮き出る薄緑はやがてピンクに。ちょうど、桃の果実が色付くように。そして暑さがそれを揚げたてのチップスにする。風に花びらが触れ合って小さな乾いた音。食べてみようか。(写真・柏葉アジサイ)

葉が艶のある赤銅色になって、やがて落ちる頃、茶色くなった花房に初雪がかかるのを見よう。その前に月の光が降り注げばそれは夏の霜。
8月3日 木曜日
ホテイアオイの花「咲いてるよ!」後ろからの声になんだろうと見回して、見つけた池のホテイアオイ。「蕾でしょ。」とまずは訂正して、でも気が付かなかった。数日留守にしたので、マツムシソウの茶色くなった花柄がたくさん目に付いて、鋏を持ってしゃがみ込んでいるのは池の横なのに。

ナデシコの花が去年の何倍も増えて満開になった、ルコウソウの蔓が出かける前より倍以上延びた、たしか一通り見回したつもりだが。同じ場所に居ても、こうも見ているものが違うのか、見たいものしか見ない人間の目か。

池の半分を覆うほど増えたホテイアオイのうち4株に蕾、それが昼になるといっせいに開いた。(写真・ホテイアオイ)花はどちらから見てもよいように茎をぐるりと取り囲んでウォーターヒヤシンスと呼ばれるだけの事はある。でも花はやっぱりアオイ、薄紫の花はヒヤシンスの何倍も大きい。

「・・・いないね、殺したのは君だからね。」その断定する物言い。「メダカが花になって咲いたんだ。」ここまで来ると、背中に冷たいものが流れるよう。「だから、早く水を替えてくれって言ったのに。」おい、一緒に旅行に行こうと言ったのはそっちだぞ、いつ水を代えたらよかったのよー、と言うのはやめて静かに側を離れる。おお、くわばらくわばら、まったくメダカの愛に溺れてるぜ、変な奴。

今朝、また池を覗いて驚いた。花はすっかり消えている。よく見ると萎れて花は水に浸っている、花茎がいつのまにか曲がってそのようにさせている。花が咲けば種ができる筈、水の中でも腐らないような仕組みなのだろう、来年発芽したらいいな、でも池は凍っちゃうからダメかな。

あら、そのあいだをスイスイ泳いでいるではないか、メダカ。「ちょっと、メダカいたよ!」部屋でパソコンに向かっている相棒に叫ぶと、フーンだって。フーンじゃないでしょ、人をメダカ殺しみたいに言ったくせに。

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