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1999年11月日記


11月27日

ゲンノショウコのタネ 今朝は久しぶりに信州らしい冷え込みのきつい朝。6時半に起きると人気のない居間は11度。本当にうっすらではありますが雪がガーデンテーブルの上に見えました。昼近くになって陽射しの降り注ぐ庭は温かそうに見えますが、外に出ると空気がピリピリ頬をさします、やっぱり寒い。
メキシカンセージ、レースラベンダー、寒さに負けず咲いているので、もうちょっとこのままにしておきたい・・・、堀上げないと枯れてしまう・・・、葛藤は今日も続きます。
寒さを迎えて花を咲かせ始めたのは、カレンジュラ(冬知らず)とプリムラジュリアン。濃い黄色、ピンク、小豆色、夏には鬱陶しくお呼びでなかった色に今はホッとしています。2つとも去年の冬に買って、春に庭に下ろしたものが夏越えして咲いたのです。
いただいた籾殻も袋に入ったまま、冬支度を日延べして、茶色く枯れた茎や種の形を楽しんでいるうちに庭に出るのが本当に辛くなってしまいそう。でも見てください、花よりずっとしゃれてるの。(写真・ゲンノショウコ)

11月25日

陽だまりのツワブキ

午後2時半。この時間、庭はほとんど翳ってしまいました。日はわずかにレースラベンダーの紫色の矢じりや、シルバーのコニファー、黄色くなったアスパラの揺れる葉先を照らしています。おや?スポットなど浴びることはないと思っていた車庫横の湿った土、重なった落ち葉の上にも、花も咲かずひっそりと佇むツワブキ(左写真)にも、優しい西日が差しています。季節と時間によって日の当たる場所が微妙に変化する庭、まだまだ知らないことはたくさん。
九州でいろいろな方の庭にお邪魔しました。そこは心地好く、幸せに溢れた庭でした。我が子を優しく見つめ育てるように、庭に向かっている方たちでした。広くないんですよ・・とか、日当たりがね・・とか、水はけが・・とか、それは我が子を人前でべた褒めしないのと同じ、しかしどの庭もオーナーの愛情を一身に浴びていました。秋のバラがぽつぽつと咲くのをドキドキはらはらしながら待っている、その横には、とうに我が家では終わっている花たちがまだまだ元気一杯。大きく育ったミモザ、月桂樹、ユーカリ、庭全体が温室のような暖かさのなか、葉を生き生きと茂らせていました。落葉する木がない庭と、幹ばかりになってしまった庭、草花は背景で全く違った表情を見せるのですね。

11月17日

唐辛子とシルバー葉もの まさかホントに降るとは思わなかった。北部は雨か雪でしょう、なんて天気予報が言っても、最近ちっとも当たらないし寒くもないもんね。すこーし冷えてきたかなって窓の外を見たら、ナナなんと!バチバチ音をたてて、みぞれだぁ・・・でも雪じゃないよ、すぐにショボショボ雨になるさ・・・信じたくない、見たくない・・。でも、あー寒かったァ、雪降ってるよぉ先生!って言ってくれるな生徒よ・・・・。なんでこうなるの、紅葉も遅れました、きのこも遅れました、なのになーぜ雪が去年より早く降るのよ、も〜押さない押さない!ちゃんと間隔とってくれよ〜。ぐずぐず言っても聞いてくれないのね、イケズ。初雪は綺麗。知ってるさ。初が付きゃなんだって喜ぶもんさ、けっ。どーせどーせあたしは人生の辛酸をなめ尽くした○十代、うぶだけど。
写真に収めたかったなぁ、山並み。デジカメでは無理でした。キャロットケーキの上半分に粉砂糖をふりかけます、青いお皿に載せてよく冷やしてね。そ、おいしそーな山です。
あんたは偉い!
何事もなかったように取られるのを待つ唐辛子

11月16日

メダカ 先日放映されたBSのイギリスガーデニング紀綱秋の部を昨夜やっと見ました。ビデオにとったまま、ゆっくりとテレビの前に座る気分になれなかった数日はずいぶん長く感じました。
紅葉した葉、立ち枯れた植物、面白い形の種や野菜など美しい秋の表情にため息しながらも、おいしい秋だけ取ったな、と心底からは映像に酔えない自分に気付いて苦笑いです。日本でも、京都を中心に季節を感じる雅やかな文学には秋のそこはかとない寂しさも、むしろ厳しい暑さから逃れた安堵感に包まれて、それほどの絶望感はないように思えます。しかし北国の人間にとって秋は豊かな実りの季節であると同時に、残忍な死神を迎える臨終の季節でもあります。約束された蘇生に一抹の不安を抱く暗い灰色の空、人生の中に雪の降る日があるのではなく、延々と終わりなく降る雪の中に人生があるのではないかと感じる憂鬱な日々、その入り口に秋がいるのです。
池からメダカ救出。
もっとたくさんいるように見えてたけど
大小7匹でした。
それぞれ嫁ぎ先は決まっています。

11月10日

サフラン 昨夜の天気予報では今朝は冷え込むということでした。霜の心配もあってネモフィラやビオラ、デルフィニュームの小さな苗のために新聞紙で屋根を作ってあげて、それなのに今日は暖かい朝ね、と文句というわけではないけれど。充分寒いよ、昨日は暖かかったのに寒い寒いと言うし、おかしいんじゃないの?とは相棒。明るくなってからの方が寒いのよ、わかってないな、お寝坊さん。
青さが目に染みる空、冷たく冴えた空気、昨夜の雨で一段と近くに見える黄金色の山。遠く高い峰にはうっすらと雪、飯綱山は半分雲の中、雪雲、晴れれば真っ白な姿を見せるはず。だから木は大急ぎで葉を落としている、風が吹くたびさーっと舞い上がる、くるくる回ったら急降下、土が見えないほど重なったその上に。悲しい綿帽子をかぶる前にたくさんの思い出と約束と感謝を大地に告げておきたいのかしら。
サフランが咲けば雪ももうすぐ
11月2日
日陰の葉っぱ 朝のゴミ捨てにおもてへ出たら、パラソルは倒れているし庭も道も落ち葉だらけ。昨晩の風は一時だったが嵐のような唸り声をあげていた、それだけで恐ろしく障子を開けては見なかったが、とんでもない魔王が通り過ぎたようだ。どこから飛んできたのか、うちにはない真っ赤なモミジ、まあるいオオデマリも一緒に濡れ落ち葉。シャラも少しは落ちたようだが葉の外側から緋色に変わって、緑も少しは残るちょうど見ごろの美しさ、朝日に透かされて虫食いあとがご愛嬌。クロモジの黄色は蛍光色、たっぷり茂ったモッコウバラは引き立て役にまわっている。そんな中一人初々しく黄緑色はキングサリ、夏にあった葉は枯れて新緑を展開している。よその国から来たせいか、どうも皆とは歩調が合わないよう。
(写真)手前左は竜のひげ、シルバーはフェスツカ・グラウカ、黄変したホスタの後ろにアスチルべ。

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